エネルギーを大量投入して生物多様性を喪失してしまう近代農業。その解決策として注目される多年生穀物は、毎年耕す必要が無く、環境を再生する食料生産の鍵を握っている。
土壌に栄養を、自分自身に栄養を
コンポストで完全循環 ミランダ・クロウェルリサイクルはバークレーで発明されたわけではありません。地面に落ちた葉や枝が微生物によって分解され、新しい植物の生命を育む肥沃な土壌に変わる、自然の中で生まれたのです。
家庭でのコンポスト作りの目標は、自宅のキッチンや庭から出た有機廃棄物を使って、その自然な循環を加速させることです。コンポスト作りをすることで、有機物を(メタンガスを発生させる)埋め立て地に送らずに済みます。また、養分の豊富な土壌改良剤として菜園に加えれば、肥沃で生きた土壌となり、作物は強くて健康になります。キッチンに持ち込まれるそれらの野菜は、自分自身(と体内の微生物)に十分な栄養を与え、そのサイクルは続きます。
狭いスペース向けのヒント:
都心部でコンポストを作成する場合は、店で購入でき、ベランダに置けるサイズのミミズコンポストを試してみてください。容器に食品廃棄物を入れると、虫(通常はミミズで、オンラインショップや種苗店で購入可能)が集団で効率よく食べてくれます。ミミズの消化作用により、栄養に富む植物用の土壌改良剤であるミミズ堆肥が作られます。
ミランダ・クロウェルは、『サンセット』誌の元編集長。サンフランシスコ・ベイエリア出身で、ガーデニングやホームデザイン、食について、さまざまな出版物で執筆している。
イラスト:WILLIAM MILLER
イラスト:WILLIAM MILLER