
「オーガニック味噌」に使われる大豆は、リジェネラティブ・オーガニック認証の取得を目指して不耕起有機栽培の実践を進めている、千葉県匝瑳市のソーラーシェアリングの下で生産されています。
持続可能な農法のさらに先をいくリジェネラティブ・オーガニック農法は、地球と私たちを含む地球上のすべての生物の健全性を着実に改善します。
農業を問題から解決策に変える
生産量を増やすために化学合成肥料、殺虫剤、農薬に依存しています。多くの場合が工場モデルに従い、大きな面積で単一の作物を栽培し、動物はケージや肥育場で育てられます。大規模農業は、世界全体で排出される温室効果ガスの3分の1を占め、表土を侵食し、有害物質を流出させ、人間と動物の健康を害しています。
化学合成物質、遺伝子組み換え作物(GMO)、抗生物質、成長ホルモンの使用を禁じています。オーガニック農家は、何世紀も受け継がれてきた知識をもとに、堆肥化、輪作、家畜の放牧など、伝統的な方法を用います。自然に逆らうのではなく、自然と協調します。
オーガニック農業を実践した上でさらに前進し、気候変動と戦うために土壌の健康を高めることを優先します。全体論的システムであるリジェネラティブ・オーガニックは、地球、人間、動物の健康で安全な状態が相互に関連すると考えます。真に再生可能な農場とは、複数レベルで健康を回復するものであり、有害な化学物質を使用しません。それがリジェネラティブ・オーガニックの定義となります。
農業システムが健全であれば、多くの恩恵がもたらされます。
国連によると、従来の農業を続けていけば、私たちのほぼすべての食料を生み出している世界中の表土が60年以内に消失してしまうとされています。リジェネラティブ・オーガニック農法は、有機物(枯れた植物)を分解して表土にする微生物を増やし、活発化させる環境を生み出します。また、アグロフォレストリーや多年生植物などのようなリジェネラティブ・オーガニックのシステムは、しっかりと根を張って表土の侵食を防ぎます。
リジェネラティブ・オーガニックのシステムは、樹木や多年生植物、微生物の豊富な生きた土壌によって豊かです。樹木と多年生植物(一部の被覆植物など)は、温室効果ガスとして気候危機の原因となる二酸化炭素を土壌に取り込むことに優れています。炭素は根を通じて土壌中に放出され、微生物に取り込まれることで地中にとどめられます。リジェネラティブ・オーガニックのシステムは、干ばつや洪水などの気候変動の変動にもうまく対応します。
豊かな有機土壌でリジェネラティブに栽培された果物、野菜、ナッツ、穀物にはより多くの栄養素が含まれています。たとえば、そのような管理で育てられたトマトは、従来の栽培方法で育てられたものよりも、抗がん作用のあるフラボノイドを多く含みます。
古くから伝わる伝統(その多くは土着のもの)を頼りに、現代科学を重ねることで、故郷である地球と私たち自身にバランスと健康を取り戻すことができます。
2017年、私たちは〈ドクターブロナー〉や〈ロデール・インスティテュート〉を含む複数の団体と協同で、食品と繊維の世界最高水準のオーガニック認証としてリジェネラティブ・オーガニック認証を設立しました。リジェネラティブ・オーガニック認証を取得するには、農場が土壌の健康、動物福祉、労働者に対する公平性のそれぞれで厳格な基準を満たす必要があります。現在、世界中で500万エーカー以上の農地が認証を受けています。リジェネラティブ・オーガニック認証について下のリンクからお読みいただけます。