リジェネレイティブ・オーガニック・サーティフィケーション発表
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リジェネレイティブ・オーガニック・サーティフィケーション発表
ローズ・マーカリオ | 2018年05月14日
土曜日、ナチュラル・プロダクト・エキスポ・ウエストにて〈リジェネレイティブ・オーガニック・アライアンス〉は私たちの新しい認証を初公開しました。下記は私の講演からの抜粋です。ビデオも是非ご覧ください。
2012年、私たちは惑星に恩恵を与え、それを再生する革新的な方法にて調達された製品に焦点を当てた食品事業である、パタゴニア プロビジョンズを発足しました。食品について学んでいくにつれて、農業の可能性についてますます胸を踊らせています。そこで〈ロデール・インスティチュート〉のボナー博士や有機産業の数々のリーダーたちと協力し、昨年一年間、リジェネレイティブ・オーガニック・サーティフィケーション(環境再生型オーガニック認証)の設定に着手しました。今日、懸命に取り組んだ農家、牧場、科学者そして活動家を代表して、この新しい認証を発表できることを誇りに思います。それはこの運動のもうひとつの重要な一歩であり、また皆様の協力を得ることによって、これは惑星にとっても顕著な一歩となり得ます。
健全な土壌は健康な人びとと惑星にとっての鍵です。しかしここアメリカでは、土壌は補充される10倍のスピードで失われています。科学者の予測では、現行の工業型農業慣行と森林伐採では、60年以内に利用可能な表土が喪失してしまうといわれています。3大化学薬品会社がすべての種および殺虫剤の75%を支配しており、アメリカだけでも毎年1億3千600万キロの除草剤ラウンドアップが噴霧されています。化学薬品をスプレーした作物をあつかう農業従事者を含む人間の癌、アレルゲン、疾病の発生率の懸念すべき増加、そして同様に懸念すべき送粉者の喪失は、化学農業の台頭と同時に起きています。大げさにしたくはありませんが、蜂がいなくなれば、食料供給と私たちの知る地球は破綻します。
これを想像するのはおぞましいことですが、解決策はまだ手の届く範囲にあります。環境再生型有機農業は表土を再建し、化学薬品による公害を削減し、気候変動の原因である炭素を土中に隔離します。これらはすべて同時に可能です。2014年に〈ロデール・インスティチュート〉の研究者は、現存の農地が環境再生型有機農業に移行すれば、世界中の毎年の二酸化炭素排出量の100%を土壌に隔離することができると予測しています。
私たちは最高の科学と環境再生型慣行を、社会的公平性と動物福祉のための最善慣行と連結させることに焦点を当てています。私たちの目標は米国農務省(USDA)のオーガニック・ラベルを、いかなる意味でも弱体化させるのではなく、支持して強化することです。私たちはそれを絶対的に尊敬/支持し、根本的にそれなくして環境再生型農業を実行できるとは信じていません。
この新しい基準を意義あるものとするための唯一の方法は、より多くのブランドがよりいっそう力を入れることです。私たちはともに立ち上がり、この困難で、ときとして混沌とした政治状況のなかでも、政策変革のために闘わなければなりません。有機的で、環境再生型で、倫理的な食料生産は、私たち全員の声を、明確ではっきりとした声を必要としています。私たちのお客様はそれを要求しています。社員もまた、人と惑星のためになる仕事に従事しつづける機会を得て、やる気を起こすことでしょう。
私たちは3大化学薬品会社の捕虜となる必要はなく、農家やサプライチェーンの人びとの生計手段を崩壊させる有機食品の低価格化を押しつづける必要もありません。表土を浪費し、環境を劣化させる必要はないのです。
パタゴニアの私たちが完璧なわけではなく、ブランドとしてもそこに到達してはいませんが、私たちが進む方向については明らかです。それは住む価値のある世界を欲するのであれば、私たち全員が進む必要のある方向です。惑星の未来がかかっています。より良い農業はより健康で清潔かつ持続可能な将来を育てることができます。いまは形勢をうかがうときでも、言葉を濁すときでもなく、行動を起こさねばならないときです。大胆になろうではありませんか。
詳細について学び、参加するためにregenorganic.orgをご覧ください。
更新:2018年エクスポ・ウエストでのローズの基調講演をYouTubeにてご覧いただけます。